肝障害の診断について


ドックや検診などの血液検査で肝障害を指摘されたことのある方は比較的多いと思います。肝細胞由来の酵素であるAST、ALTが主に高い場合と、胆道系由来の酵素であるALP、γGTPが主として高い場合に分かれます。通常はその原因を調べるにあって以下の六つの代表的な肝疾患をまず鑑別診断します。

脂肪肝   内臓肥満で肝細胞の中に脂肪が蓄積した状態です。
アルコール性肝障害   アルコールの飲みすぎによる肝障害であり、肝硬変に進展している事もあります。
ウィルス性肝炎  B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルスなどによる肝障害を発症するウィルスによる肝炎
薬物性肝障害   服用中もしくは服用した薬剤の副作用として発症する肝障害
自己免疫性肝炎  自分の肝臓に対する抗体ができて発症する肝炎
肝腫瘍   肝臓の細胞から発症した肝腫瘍と転移した肝腫瘍に大きく分けられます。

具体的には、食事量、アルコール量、運動量などの生活習慣の問診、健康食品なども含めた薬剤服用の有無の問診、肝炎ウィルス・自己抗体検査などの血液検査、腹部エコー検査、CT検査などを行って鑑別診断を行い、治療の必要性の有無や治療方法の決定を行います。
もちろん上記の6つの疾患に当てはまらない場合は比較的頻度の少ない疾患を鑑別します。