バリウムによる胃検診について


胃検診の精度と目的

飛騨地区の胃検診は久美愛厚生病院が主体となって検診車を走らせ、バリウムによる検診が行われています。
胃のバリウム検査とはバリウムを用いて胃の形や胃粘膜の写し絵をレントゲンフィルムに撮る検査です。ロールフィルムに撮影し、現像後に判定します。限られた時間内に大勢の写真を撮らなければなりませんので、きれいな写真を撮るのには限度があります。また、胃の蠕動運動を止める薬も使用しませんから判定にも限度があります。したがって、ひとつの集団から異常の可能性の高い人を抽出する検査と考えてください。そこで抽出された要精検者に胃カメラを受けてもらい、効率的に早期診断するのが検診の流れです。上腹部痛があるにもかかわらず検診を受け、異常なかったから大丈夫と思われてる方が時々みえますが、その考えは間違いです。そもそも胃部症状のある人が胃検診を受けてはいけません。胃検診の目的はそこにはありませんので、胃部症状のある方は医療機関で胃カメラ精査を受けることが勧められます。胃検診の写真はドックのように胃の健康を保障するような精度はないことを理解してください。

胃検診は受けないで胃カメラが勧められる方

  1. 痛みや胃もたれなど胃部症状のある人
  2. つかえ感、胸焼けなど食道症状のある人
  3. 胃切除術の既往がある人(←切除胃のバリウム検査判定は非常に難しい。)
  4. 便秘の強い人(←バリウム検査の後は便秘の悪化が非常に多い。)
  5. 腰の曲がった人
  6. 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往のある人(←通常、治癒後も変形が残ります。)

胃検診の主な異常所見

  1. 隆起性病変:ポリープ、隆起型癌などの疑い
  2. 透亮像:ポリープ、隆起型癌などの疑い
  3. ニッシェ:潰瘍、陥凹型癌などの疑い
  4. アレア異常:早期胃癌などの疑い
  5. 粘膜集中像:胃潰瘍、胃癌などの疑い
  6. 粗大粘膜ひだ:胃癌、メネトリエ病などの疑い
  7. 硬化像:胃潰瘍、胃癌などの疑い
  8. 胃角変形:胃潰瘍、胃癌などの疑い。