大腸がん検診について


免疫学的便潜血反応とは

大腸がん検診では免疫学的便潜血反応という検査が行われます。免疫学的便潜血反応は人間の血液にしか反応しません。昔の便潜血検査のように肉や魚を食べて陽性になることはありません。通常2回の便を特殊容器に採便してもらいます。そのうち1回でも便潜血反応が陽性に出た場合は、大腸の精密検査を受けるよう連絡がきます。

免疫学的便潜血反応陽性の場合

大腸癌検診で要精査の場合、便検査の再検を希望される方がありますが全く意味がありません。再検して今度は2回とも陰性でも大丈夫ですとは言えません。検診でチェックされた場合は必ず次のステップに進んでください
精密検査としては大腸カメラが推奨されています。1回のみ便潜血陽性の方でも大腸カメラを行いますと約50%以上の方に大腸ポリープを含めた異常が発見されます。もちろん便潜血反応が陰性でも100%大腸に異常がない事が保障されたわけではなく、大腸に病変がある確率は低いくらいに考えてください。便潜血が2回とも陰性であったにもかかわらず大腸がんが診断された症例を何例か経験しています。もちろん逆に2回とも陽性でも大腸に病変が見つからないことはしばしばあります。多発性結腸憩室や内痔核を含めた肛門出血に起因していることが多いように思います。ところで便潜血陽性になった原因を痔によると決めつけて精査を受けない方がみえます。痔出血と自己診断して放置し、進行してから大腸がんが見つかった患者さんを時々経験している事をつけ加えておきます。